いと小さき君のために

 

 

「うおー、あったけーー。」
ルフィが大袈裟に叫ぶ。
見ると手は赤くなってかじかんでいるようだ。
「おい、ちゃんとあっためておかねえとしもやけになるぞ。」
サンジが皿を出しながら言った。


この天候で唯一の救いなのはナミの熱を冷ます氷に事欠かない事だ。
しんしんと振る雪を集め、圧縮して氷にする。このグランドラインでは天候がいつ変わるか分からない作れる時に作っておかないといけない。もっぱらそれはルフィの役目になっているようだ。


サンジにしても食料が保存できると言う点ではこの天候に感謝している。おかげでナミに栄養価の高い食事を作る事ができる。


「ナミは元気かなあ。」

ルフィがぽつりと呟く。食う、寝る。言わなかったルフィも最近はナミの事ばかり口にするようになった。


「今、ビビちゃんが見に行ってる。もうじき戻ってくるだろ。ほら、手伝え。」


ウソップがサンジから料理を受け取り、皿にもる。その間ゾロはちらちらと戸口の方を気にしていた。


サンジはそれをみて軽く舌打ちをする。


ゾロとてナミが心配でしょうがないのだ。誰かがナミの様子をみて、部屋に戻ってくるとすかさず様子を聞く。少しでも容態がいいようだったら誰にでも分かるくらいにほっとした顔をする。

分かっているのだ。誰よりもナミの容態を心配しているのはこの男だと。


そこまで心配ならさっさとナミさんに会いに行けよ。サンジはそう思った。

 


「ナミさん、起きれます?」
ビビが声をかけるとナミはうっすらと目を開けた。
熱のせいで目が潤んでよく見えないが、ビビが着替えと食事を持ってきてくれたのは分かる。
「ん・・・大丈夫。」
なんとか身を起こそうとすると、ビビに止められた。
「ダメですよ。寝てなきゃ!」
「少しくらい動かないとなまっちゃうわ。今日は少し気分がいいの。」
確かに身を起こせるくらいだから容態はいいのだろう。だが、ビビの顔から不安の色は消えない。
「ね、食事の前に着替えたいの。汗かいて気持ち悪いわ。」
ナミがそう言うとビビはバスルームに行き、熱いタオルを持ってきた。
「ありがとう。」
ナミはそう言って汗で濡れた服を脱いだ。


少し痩せた。


ビビはそう思った。その身体を熱いタオルで拭いて行く。
「悪いわね。」
「いいんです。熱くないですか?」
「・・・ううん。気持ちいい。よかったビビがこの船に乗ってて。」
「え?」
「だって、男どもにこんな事頼めないじゃない?サンジ君は率先してやりそうだけど・・・。」
「そうですね。サンジさんなら・・・あの・・・Mr.ブシドーは・・・?」
「あいつ?今でさえ部屋にも来ないのにこんな事してくれるわけないじゃない。」
「・・・でも、心配はしてますよ。」
ビビは取り繕うように言った。
「どうだか。」
そういったナミの顔は寂しげで熱のせいで弱々しい身体がさらに小さくなったような印象を受けた。
「終わりました。冷えないうちに服を着て下さい。はい。」
ビビが新しい服を差し出すとナミはそれを身につけた。少しスッキリしたような顔をしている。
「じゃ、いただきます。」


にこりと笑うナミに先ほどの寂しげな様子はかけらも見えなかった。

 

 

続く

また計画性なく書いてるよ。どこまで続くか私にもさっぱり。
重い話書いたら明るい話を書きたいのです。
ああーーーー。