美しい航海士へ捧ぐ

 

 

「そろそろお開きかな?」
クルーが大分酔いつぶれたところでナミが呟いた。
「ああ・・・ナミさん、後片付けは俺が・・・。」
ぐったりしているサンジが手を挙げた。
「そう?じゃあ、ちょっと航路の確認だけしてくる。」
ナミはなんでもないように立ち上がり、船の上部にある見張り台へ登って行った。
「じゃあ、俺も寝るかな・・・・。」
大きなあくびをしてゾロが立ち上がろうとした。その脚をサンジが掴んだ。
「な、なんだよ。」
「てめえはまだだ。お姉様。」
サンジの言葉が合図だったようにニコが手を微かに動かすと、ゾロの身体から手の花が咲き、あっと言う間にゾロを拘束する。
「何しやがる!!」
それに怒りをあらわにし、サンジとニコを睨み付ける。
「ルフィ、出番だぞ。」
「おう!!」
食べてばかりであまり酔いの回っていないルフィがゾロを担ぎ上げ、バスルームへ向かう。
「な!何しやがる!!!ルフィ!こら!」
腕を拘束されているので動けないゾロを手際よく脱がせ、熱いシャワーを浴びせる。
「ぶわ!」
「サンジがゾロをよく洗っとけってだとさ。」
そういってシャンプーをこれでもかと手に取る。
「あいつ・・・何考えて・・・ってなんでお前までいる!!!」
いつの間にかニコもバスルームに入ってきている。
「あら、見てないと捕まえられないもの。」
「じゃ、やるな!!!ルフィ!!せめてタオルよこせ!!」
「なんだよ恥ずかしがるなよ。男同士だろ。」
「お前の目は節穴か!!あそこにクソ女がいるだろ!!!!」
もう血管が切れそうな程赤い顔をしてゾロが叫ぶ。
「別にかまわないわよ。」
「ほら。いいってさ。」
「こっちがかまうわ!!ルフィ!いいかげんに・・・どこまで洗いやがる!くそ!お前ら覚えとけ!!!!」

 


バスルームから出てきたゾロはもう気力喪失と言った感じでぐったりとしていた。
一応ゾロの希望(?)を聞いて腰にはタオルがまかれていた。そのままキッチンに運ばれるまで腕はニコに拘束されたままだった。
「おら。これを着ろ。いつまでもお姉様の前でさらしてんじゃねえよ。」
さっきの酔った様子はどこに。サンジは煙草をふかしながらゾロに服を差し出した。
「・・・俺の服は・・・?」
サンジが差し出した服はおろしたての白いシャツに黒いズボン。自分がさっき着ていた服とは明らかに違う。
「そこだ。」
サンジが指差した先を見るとチョッパーがゾロの服を洗っていた。
「チョッパーーー・・・お前もかあ・・・。」
ありったけの殺意を込めてチョッパーを睨むとそれに恐れをなしたか柱の影に隠れた。
「なんだってんだよ。一体。」
やっとニコの拘束が外れ、開いた手で服を受け取る。
「くそ!!!」
やけっぱちで服を着るとやっと落ち着いたように深くため息をついた。
「これでいいのかよ。きついな。これ。」
身体にフィットする服に気に入らないのかあちこち引っ張って伸ばそうとする。
「そういう服なんだよ!!よし、次。」
サンジが言うとハサミをもったウソップがすっくと立ち上がった。
「こんどは何だ!?」
有無を言わせず椅子に座らせ、手際よく髪をカットしていく。
「なんだって・・・だから!なんでお前がここにいる!!!」
見るとニコがゾロのひざの上に座り、頬を手で挟んでいた。
「動かないで。」
手には小さなハサミが握られていてゾロの眉を整えていく。
「くそ・・・!!わけわけんねえよ!!何なんだよ!!」
「わかんねえやつだなあ。決まってんだろ。ナミさんへ誕生日プレゼントだよ。」
「はあ?」
ゾロが目を見開く。
「俺達からのプレゼントはお前ってことで満場一致。それでいまデコレーションの最中。文句ねえだろ。」
サンジの言葉にゾロは言葉を飲み込む。たしかに文句はないが・・・この扱いは・・・?
「よし!!出来た!!」
ウソップが満足げに鼻を擦った。
「仕上げだ。涙を飲んでこれをやる!!」
サンジが差し出したのは淡い色の入った小瓶。
「なんだこれ?」
ゾロが不審げにそれを指差すとゾロはぐいとゾロを引き寄せ耳もとで囁いた。
「これは俺がナミさんとの初夜のために用意した特製コロンだ。女性によく効くんだと。」
ナミとの初夜という言葉に引っ掛かったが、この状況では怒る気にもなれない。
「・・・媚薬か・・。」
「んなロマンのねえこというな!ちょっと女性の気持ちを解放する利き目のあるコロンだ!文句あるか!!」
そういいながらぐいぐいとゾロの首筋に塗り付ける。
かすかな甘い匂いが鼻をくすぐる。
「おら!さっさといけ!これでナミさんを満足させなかったりしたら承知しねえぞ!!」
背中をどんと押され、俺はキッチンから出された。
着なれない服に戸惑いながらとりあえず女部屋へと向かった。

 

 

ラッピング終了

楽しくてついつい書いてしまった。
まだ続きます。