女の花道2

 

次の日、キッチンに行くと皆はすでにサンジ君の作った食事に飛びかかっていた。


「ふぉお、(おお)ふぁみ(ナミ)ふぁふぁくふわへえとはくふぁるへ(早くくわねえとなくなるぜ)」


ルフィが口に肉を頬張りながらモゴモゴした口調で言う。


「大丈夫ですよ。ナミさん。ナミさんのはこちらに!」


相変わらずハートを飛ばしながら私の前にきれいに盛り付けられたプレートを置く。


「ありがとうサンジ君。」
「あなたのためならこのくらいの事。」


手をしっかと握りしめ、熱い口調で囁く。いつもの光景。


「・・・うーーす。」


そこへ緑色の髪をした剣士が入ってきた。
相かわらず眠そうにしながら私の隣に座る。
私は昨日の事を思い出してゾロから目をそらす。


「俺とナミさんの語らいを邪魔すんなよ。クソ剣士。」
「・・・してねえだろ。お前も朝からさかってんじゃねえよ」
「・・・サカ・・・。」
「ああ!ナミさん!こんなクソやろうの言う事は気にしないで下さい。そう、昨日のチョコは絶品でした!!ナミさんの愛がこもってて・・・。」
「チョコ?ああ、あれか。なんだお前ももらったのか。」


どこか不機嫌そうにゾロが言った。


やばい・・・。


「そう、よかった。美味しく食べてもらえて。ねえ、サンジ君冷めないうちにこのお料理食べたいんだけど。」


なんとか話題をそらそうと目線を盛り付けられたプレートに落とす。


「ああ、これは失礼。ささ、どうぞ」
「ありがと」


ほっと胸をなで下ろしてスプーンを手に取る。


「チョコって昨日もらったハートの形のチョコだろ?うん。うまかったぞ。ナミ。」
「な・・・!」


思い掛けないルフィの言葉にスプーンを取り落とす。


「ナミさん、こいつ味わわずにひとくちでくいやがったんですよ。俺なんか愛を噛み締めながら食べたと言うのに・・・。」

「でも、お前ハートのチョコ、半分で折ったじゃん。それ意味ないぜ。」


ウソップの言葉にがぼーんと顎を落とす。


「・・・・。」


私はゾロに気付かれたんじゃないかと内心ヒヤヒヤで右側を向けずにいた。


「ゾロももらったろ?もう食っちまったのか?食ってないなら俺がもらうぞ。」


ルフィが無邪気な顔でゾロに相談を持ちかける。
私は恐る恐るゾロを見るとやつはにやっと笑って・・・


「ああ、もらった。もう食っちまった。うまかったぜ。なあ、ナミ。」


その裏に隠された意味に私はさっと赤くなった。
それから一日私はゾロから避けるように行動した。
何よりもあの鈍感のゾロがチョコの意味を勘付いた事、それにあの・・・。
その事を思い出す度に恥ずかしくなってしまう。


「はあ・・・。ベルメールさん、私どうしたらいいんだろう・・・。」
「何をどうするって?」


階段の方から声が聞こえ、慌てて振り返るとちょうどゾロがみかん畑に入ろうと階段をあがってきたところだった。


「・・・ゾ・・・ゾロ!」


まともに彼の顔を見る事ができず、目を臥せる。そのままゾロの横を通り過ぎようとする。


「おい、待てよ。」


ゾロに腕を捕まれ、そのまま抱き締められる。


「な!何すんの!!放して!!」
「訳もなく避けられるのは好きじゃねえ。理由を言え。言えば放す。」


耳もとで囁かれそれだけで心拍数があがる。


「そんな・・・避けてなんか・・・。」


そう言いかけた時、ゾロが私の耳たぶを噛んだ。
身体がビクッとなるのが自分でも分かった。
体中の力が抜けたようになって息もあがる。
なんでこんな事に・・・私どうしちゃッたんだろう・・・。
そんな事が頭の中でぐるぐると回る。


「やだ・・・ちょっと放して・・・ずるい...」


なんとか腕の中から逃げようとするが身体に力が入らないのも手伝ってゾロの身体はびくともしない。


「ずるいのはてめえだろ?なんで避けてんだよ。俺の事。」


ゾロは顎に手をかけて上を向かせる。
ゾロとまともに目があう。深い緑の瞳。その真直ぐな視線からのがれる事ができなかった。


「・・・分かってよ・・・馬鹿・・・」


ほとんど聞き取れないような声で呟いて目だけを臥せる。
ゾロは小首をかしげて真っ赤になる私をしげしげと見る。


「・・・ああ。へえ、そうか。」


妙に納得した口調で言うので不安になってもう一度ゾロを見上げる。


「何?分かったの?何が?ちょっと、変に誤解してないでしょうね。」
「大丈夫だ。分かった。なんだそうか。よし。」


自信たっぷりに一人で納得している。


「やだ!それ絶対違う!ちょっと、どう分かったのか言ってみてよ!」
「気にすんな。」


軽くキスをされ、私は言葉につまった。


「・・・ほんとにわかったの・・・?」
「ああ、まかせろ。」


そう言ってもう一度キス。


「なあ、」
「・・・ん・・・?」


息がかかるくらいの至近距離でゾロが問いかける。


「お前の部屋に行きてえ。」


一瞬考えてその言葉の意味を理解する。


「いいだろ?」
「言い訳あるかあ!!!」


思いっきりゾロの向こうずねにキックを入れて叫ぶ。


「なんだよ!またお預けかよ!!」
「このケダモノ!あんたの頭の中はそれしかないわけ!?」
「普通だろうが!!昨日も大変だったんだぞ!!」
「そんなの知らないわよ!とにかくダメ!」
「お前、ここまできといてなんだそりゃ!女はいいだろうが男はとまんねえんだよ!」
「・・・あんた!もっとデリカシーのある事言えないわけ!?」
「・・・おー、おー、分かった。そういう態度に出るか。」


急にゾロの目が光った。


「な・・・なによ。」


一瞬身の危険を感じ、一歩後ずさる。


「・・・きゃ・・・!」


ゾロは軽々私を持ち上げ、荷物のように担ぐ!


「ちょっと!無理矢理やる気!?犯罪よ!!変態!」
「あー、もうむかついた。こうしてやる。」


そう言ってゾロは私を放り投げた。


「・・・え?」


落ちていく感覚。遠ざかるゾロ・・・とゴーイングメリー号!?
ドッボーン!
大きな音を立てて気が付くの海の中!!
慌てて海面に出るとゾロがにゃにやしながら見ていた。


「あんた!何すんのよ!!!」
「まあ、これで部屋に着替えに行くだろ?俺もついてってやるよ。」


ロープをなげながらゾロは言った。
もう・・・観念するしかないのかな・・・?
ぼんやりとそんな事を考えながらゾロの逞しい腕に引き上げられながら諦めのため息を付いた。

 

続くと思われる

ぐぶ!!屍は海へ捨ててえ!積み荷は燃やしてえ!
なんと続きが・・・ぐは!!!
ダーリンから「大人な小説」を書きなさいと怒られました。
とにかく挑戦中です。うぐほ。がぶ!感想下さい・・・。