夢の中9

 

案の定ナミだった。


ナミは次から次へとあおるように酒を飲み続けている。


「・・・のばかやろうが。」


いくら強いと言っても限度があるだろう。
そんな飲み方で酔わない方がおかしい。


現にそれを待っているのか店の奥にナミを見てにやにやしている男どもがいる。


俺はそいつらににらみをきかせナミの元へ行った。


「おい。」


声をかけると潤んだ瞳で俺を見上げる。


やっぱり酔っぱらってんじゃねえか。


「帰るぞ。」
ナミの腕を取り、立たせようとするとナミは俺の腕を振り払った。
「放っといてよ!!酔いたいの!!」
そう言ってナミはまたグラスに酒を注ごうとする。
「やめろって!」
それを無理矢理取り上げ、だだをこねるナミを肩に担ぐ。
「きゃ・・・!なにすんのよ!下ろしてよ!」
ナミは俺の背中をたたくがそんな事気にしてられない。


放っといたらあいつらに何されるか・・・。


「おい、勘定は・?」
ナミのスカートから財布を取り、多めに金を置き店を後にする。
「ちょっと!!ほっといてって言ってるでしょ!!」
ナミは店から出た後もまだ騒いでいる。
「うるせえな。少し黙れ!!」
きつい口調で言うと少し静かになった。
「なんで・・・怒るのよ・・・。」
ナミの声が少し震えている。
「怒るさ!女一人であんな飲み方しやがって!俺が行かなかったら店にいた男どもに何されたか・・・!」
「いいわよ!もう!!」
「いいわけあるか!!」


俺の時はあんなに泣いたくせに。


その言葉を飲み込んで知らない道を歩き続ける。
「何よ!!ゾロだってあんな女と遊んできたんでしょ!なんで私にかまうのよ!!」
その言葉に全身の毛が逆立った。冷や汗が出るのが自分でも分かる。


見られた!?


俺は言葉が出なかった。


ナミに、見られた。


俺の頭の中にそればかり浮かんで、情けない事に俺はうろたえていた。


「私が誰とどうしようが関係ないでしょ!放っておいて!」
顔は見えないが泣いているようだ。
俺はなんと言っていいのか分からず、浮かんでくる言葉を飲み込んで口をぱくぱくさせていた。
「・・・とにかく・・・船に戻ろう。案内しろよ。」
やっと出た言葉はひどく震えていたように思う。


確かに女と部屋に入ったのは確かだし、目的もナミが考えている事に相違ない。
何もなかったとは言え、俺の中の問題でナミに対してひどく裏切ってしまったような気になる。


俺はゆっくりとナミを下ろした。
目にはこぼれる程の涙をため、ナミは頼り無い足取りですぐさま俺から離れた。
「・・・あ・・・。」
急にナミの身体が崩れた。
俺はとっさにナミを支える。頭は酔っぱらってはいなくとも足にきてるようだ。
「いわんこっちゃない。」
「・・・うるさい!離して!!」
抵抗するナミをもう一度抱える。
今度はナミの顔が見えるようにいわゆるお姫さまだっこで。
「ちょっと!」
「っせえな。この寒空の中置いてかれてえか!」


確かに暖かくなったとはいえ、まだ夜になると寒さは増す。
言い訳のようにそんな事を考えながら俺はまた歩き始めた。


道は分からないがこの様子じゃナミにナビをしてもらうわけにもいかない。


途中ナミが聞き取れない程の小さな声で何か言っていたが、俺はそれに気付かない振りをして人気のない道を歩き続ける。


ナミの身体から伝わる暖かさとは裏腹に俺の中では冷たい風が吹いているようだった。

 

長いな。

なんか・・・長過ぎ!?
やっと半分くらいなんですけど。
一つ一つが短いんかな?
はて?