乙女の事情

 

「どうしたんだよ。」
いつの間にゾロが女部屋の入り口に立っていた。
「なななななななんでもないわよ!!!」
ゾロはふんと顎をあげる。
「お前がそういう態度を取る時は照れ隠ししてる証拠だろうが。」
冷や汗がたらりと流れる。
ゾロは階段を悠々と降りてくる。
ついついじりじりと後ずさってしまう。


・・・やばい・・・。


「前言わなかったか?俺は訳もなく避けられるのは好きじゃねえって。」
いつの間にか壁際に追い詰められゾロの顔が間近に近付いてくる。
「避けてなんか・・・。」
「ほう?」
ゾロの手が太ももに触る。
「きゃ!どこ触ってるのよ!!」
「言わないなら身体に聞く。」
「やだ!船の上ではやらないって言ったのに!!」
「忘れた。」
そういって手が上へと滑る。
「もう馬鹿!!言うから触らないで!!!!」
一瞬ゾロの手が止まる。


なんかいつもこの調子なんですけど・・・。


「あのね・・・。」
私は今日あった出来事をゾロに話した。まあ、なるべく遠回しに・・・。
ゾロは頭を抱え心底呆れたようにため息まじりに呟く。
「・・・女って・・・。」
「ほら、あたしってノジコしか同じくらいの女の子って知らないから、それでね・・・。」
なんとか言い訳しようとするがゾロは呆れたような顔で私を見る。
「ゾロは・・・?」
「あ?」
「そういうことしないの?」
私の言葉に恥ずかしくなったのか真っ赤になって反論する。
「ば・・・!んなことするか!大体、最初から飛ばせるか!」
ゾロの言葉に私も真っ赤になる。・・・え・・・?ちょっとは気を使ってくれてるの?
「ったく。お前もそんな事知らなくていいんだよ!」
頭をがしがしとやられ、髪をぐしゃぐしゃにされる。
「あ・・・後ね。」
ゾロがまだあるのか?と言う顔をする。
「・・・・・・・使ってる?」
「は?何を?」
ゾロに返されたので私はなんと言おうかわたわたしてしまう。
「・・・使うって・・・ああ、これか。」
そう言ってゾロは腹巻きの中から小さな袋を取り出した。
「なんで持ってるのよ!!!!」
「あ?だってこれのことじゃねえのか?」
「・・・・・そうだけど・・・・いつも持ってるの?」
「いや、いつもじゃねえ。お前の部屋に来る時は持ってきてる。」
「もしかして、今日・・・その気だった?」
キッチンで見せた笑いの意味をようやく理解して顔が強ばる。
「足りねえか?まだあるぜ。」
ゾロはごそごそと腹巻きを探る。
「もういい!もういい!!」
慌ててゾロの手を制す。
「そっか。」
そういってゾロは顔を上に向かせキスをしてきた。
「な!何するのよ!」
「騒ぐと聞こえるぜ。」
その言葉にはっと緊急出入り口に目を向ける。
どうやら気付かれてはいないようだ。
「さて。」
そういうと私の服に手をかける。
「待って!ストップ!船の上では禁止!」
なんとか抵抗しようとするがゾロに止める気配はみじんも感じられない。
「わかった。わかった。」
「わかってない・・・ん・・・!」
強引に唇を奪われているのに久しぶりの感覚で一瞬くらっとした。
「ふうん。嫌がってる割には素直だな。」
見透かされるような言い方にさっと顔が赤くなる。
「・・・せっかくだからその女どもが言ってたことの一つぐらい実践するか?」
ゾロの言葉に目が点になる。
私が目をぱちくりさせているとそれをYESの意味ととったのかゾロが今まで見た事ないたのしそうな顔で笑った。

 

 

続く

いただきます。この小説に関してのコメントは差し控えさせていただきます。