貞淑な魔女の憂い

 

お互い、顔の角度を変え、何度も唇を重ねた。
絡まる舌は熱く、すべてを溶かすように互いに熱を与えあう。


「ゾ・・・ロ・・・。」
離れる唇の隙間からナミが切なげな声を出す。
「・・・ん・・・?」
「あたしだけ・・・じゃやだ・・・。ゾロも脱いで・・・。」
そう言ってゾロの着ている服をくいと引っ張る。
「ああ。」
一度ナミの身体を離し、着ている服を一気に脱ぎさる。

 


目の前にあらわれる大きな傷。それに重なるように残る、まだ赤く痛々しい傷跡がナミの心を突いた。
「・・・。」
ナミはその傷に唇と舌を這わせる。
微かな痛みとゾクリとする感覚にゾロは目をきつく閉じた。
「わりい・・・・。約束やぶった・・・。」
ナミは一瞬動きを止める。

 


ゾロが言っているのは前にベッドの上でかわした他愛もない約束。

”もう怪我なんかしない”


”心配かけたりしない”


そんなことでもゾロにとっては約束をやぶった事に代わりなはいのか、眉をひそめ、申し訳なさそうにナミを見下ろしていた。

 


「馬鹿。もう諦めてるわよ。あんたが怪我なんかしないわけないじゃない。このマゾ。」
「だ・・・誰がだ!!」
「マゾよ。マゾ。ほら?」
そう言ってゾロの傷に軽く歯を立てる。口に微かに香る血の香り。
「う・・・く・・・。」
大して痛くはないようだが、うろたえるような表情をナミは見落とさなかった。
「ほーら。感じる?」
「・・・随分たち悪ィな。」
ゾロはぐいとナミを引き上げると桜色の突起に軽く噛み付いた。
「あ・・・!」


身体を駆け抜ける感覚にナミは震えた。風呂上がりで火照った身体はいっそう熱くなり、シャンプーとも違う香しい香りが身体から立ち上る。


ゾロはなおもナミの胸を舌と唇でなぶっていく。
「あ・・・あん・・ん!」
口からもれる声は静かな部屋に響き、それがかえって互いをそそる。


背中を支えていた大きな手が下へ滑り、なだらかな曲線を辿ってもうすでに熱くなっている部分へ指が触れる。
「あ!・・・・あん・・・。」
濡れた音を立ててそこはゾロの指を容易に受け入れる。


たったこれだけの刺激でこんなになってしまうとはナミも思いもつかなかったらしい。
戸惑うように、恥ずかしがるようにゾロに身を寄せる。


ゾロの熱い息が首筋にかかると、それだけでも腰が砕けてしまいそうな感覚に襲われる。

 


さらに身を寄せるとゾロの身体から汗と血の香りがナミの鼻孔をくすぐった。
「ゾロ・・・傷・・・。」
掠れた声でゾロに囁いた。傷はまだ塞がってもいないはず。
「・・・大丈夫だ。」
そういうと熱い中へ指を差し込む。
「ああ!」
それに耐えきれず、ナミはいっそう甘い声を出す。


「・・・お前を抱けるのに・・・こんな傷ごときで痛いなんて言ってられるかよ。」


「あ・・・ゾ・・ロ・・・私も・・・もう・・・なんでもいい・・・。」
快楽によって狂わされる思考に上手く言葉を紡げず、ナミは声を震わせる。
言葉では伝えられないもどかしさに、ナミは自分から唇を重ね、ゾロの熱い舌を吸う。
自分の身体から聞こえる濡れた音に誘われるように今までになく激しくゾロの唇を求めた。


そして、ゾロの指によって翻弄された身体は、それに呼応するかのようにナミの身体を限界へと導く。


「は・・・・・・あ・・・!」


ゾロの唇から放たれた桜色の唇から、すべてを解放するような切なげな声が漏れたのはそれから暫くしてからの事だった。

 

 

 

あれ?
あああああれ!?
中編!!まだ続くか!?
書いてたら調子に乗っちゃった!
表で書いてる小説の内容があちこちにちりばめられております。
天災は忘れたころにやってくるって感じだね。