貞淑な魔女の憂い

 

ゾロは悪態をつくのにも疲れて、どっかと近くにあったソファに深く座った。
よく見ると、そこは客間のようで、美しい装飾が施された作りになっている。
ナミ達がいるのはその入り口の部屋のようで奥にはまだ部屋が続いているようだ。
「へえーーー。すごいわねー。」
改めて、ビビの育ちのよさに感服する。
ナミがきょろきょろと部屋を見渡す間もゾロがナミをじっと見ていた。視線に気付き、ナミがゾロを見ると、ソファに腰掛けたままで動こうとしない。
また、さっきの悪戯心が湧き出てきて、ゾロすり寄ろうと近付こうと脚を進めた。すると・・・。
「寄るな。」
思い掛けない言葉にナミは立ち止まった。
「怒ってるの?」
ゾロの表情はいつもと同じで特に変わった様子はない。なのになぜそんな事を言うのか、ナミは皆目検討がつかなかった。
「・・・見せたかったんだろ?脱げよ。」
ゾロの言葉に目を丸くする。
「やっぱり怒ってるんじゃない。」
いつもより強引な口調に少々腹が立った。

しかも脱げって・・・。この変態。


「怒ってねえよ。見せろよ。」
ゾロが真顔で言うので、ナミは複雑な気持ちと恥ずかしさが入り交じり、着ている服の裾を握る。


どうしてだろう?お風呂場ではなんでもなかったのに。
それは多分、ゾロに見られているせいだろう。何度も肌を合わせ、隅々までナミの身体を知り尽くしている男。


ゾロは何も言わず、ナミをじっと見ている。


ナミは決心したように服を一気に脱ぎ捨てた。
風呂上がりでブラジャーをつけていなかったので豊かな胸が腕の動きに合わせ上下に揺れる。
「脱いだわよ。」
「まだだろ。」
ゾロは顎でもっと脱ぐようにナミをあおる。
ナミは顔が赤くなるのを感じた。
部屋はまだ明るく、ここで脱いだら全て見られてしまうだろう。
「ほら。」
ゾロの言葉に促されるように下着を全て取り去る。
視線から逃れるように身をよじる。
ゾロの目にどう映るか考えただけで恥ずかしさで卒倒しそうだった。
「来いよ。」
手招きされ、ナミはゾロの胸に滑り込んだ。これで少しは恥ずかしさから解放される。そう思った。
しかしゾロはナミを身体から離すとその身体をじっくりと眺める。
「・・・。」
見られている。と思っただけで身体が熱くなるのを感じた。
ゾロはつとナミの身体に触れる。
「・・・ん・・・。」
それにびくりと身体が反応する。
「悪かった・・・。」
その言葉に驚き、ゾロを見る。ゾロが見ているのは身体に無数に残る傷跡。
「こんなに・・・怪我させちまって・・・。」
まだ赤く残る傷を悔しそうに骨張った指でなぞる。
「・・・心配だった・・・?」
「当たり前だ。俺がもっと強ければあんなやつすぐぶっ倒してお前のところにいけたのに・・・。」
ゾロはきつくナミの身体を抱き締めた。
ナミは胸が熱くなるのを感じ、ゾロにありったけの力で抱きついた。
「ばかね。こんなのどうって事ないわ。ビビを見た?あの子の方が傷だらけなんだから。」
「ったく、女のくせにどいつもこいつも・・・。」
ゾロの言葉にナミはおかしくなって笑った。
「なんだよ。」
「もう、ほんとばか。あんた達男が大怪我してるのに私達が無傷っていうのは格好わるいでしょ?これぐらいがちょうどいいの。」
そういってゾロの鼻先に軽くキスをした。
「・・・お前らしいよ。」
ゾロがにやっと笑い、ナミの唇を塞ぐ。久々の感触に、ナミの背中が震える。
その様子に満足げにゾロが舌を入れようとナミの唇をつつく。


ナミはそれを押しとどめ、唇を離した。
「ナミ?」
不満そうにゾロが眉をひそめる。
「ねえ、まだあげてないものあったわ。」
ナミの言葉の意味が分からずゾロが小首をかしげる。


ナミはゾロの耳もとに唇をよせ、できるだけ艶っぽく囁いた。


「・・・勝利の美酒・・・飲ませてあげる・・・。」


ナミの言葉にゾロの眉が微かに上がる。
言い終わるとナミはゾロの顔を覗き込んだ。


「・・・覚悟できてんだろうな。」


ゾロは意地悪そうにナミに笑いかけた。


そして、噛み付くようにナミの唇を奪う。
それに息する事もままならず、ナミはゾロにしがみつき、自分からも激しくゾロの唇を求める。
互いの舌が絡み付き、唇が離れ、また重なり、濡れた音を立てる。
まだ夢の中にいるようなナミから唇を離し、その柔らかな頬を大きな手で包む。


「・・・手加減できねえかもしれねえけど・・・いいか?」
「いいよ・・・もうゾロの事だけ考えさせて。ずっと、ゾロに抱かれたかったの。ゾロ、ゾロ。」


ナミはまるで子どものようにゾロにしがみついた。
そんなナミを愛おしげに撫で、また唇を重ねる。

 


「・・・生きてて・・・無事でよかった・・・。」

 


唇に甘く触る言葉に、ナミは静かに目を閉じた。

 

 

 

続く
てめえが大丈夫か!!!???(ひとり突っ込み)
手加減していないゾロなんぞ書いた試しが
ございません!どーん。
まあ、でも裕風味らぶらぶゾロナミです。
美味しく食べたって下さい。