私と私

 


帰るとノジコがまだいて朝食を食べていた。
何となく気まずく目を会わせないまま席につく。
「なにこそこそしてんのよ。ほら、さっさと食べちゃって。もう出るから。」
いつものノジコの調子にほっと胸をなで下ろす。
「あんた学校は?」
「今日はいいや・・・。着替えて・・・寝ようかな?」
あくびをしながら答えるとノジコは何も言わず食器を片付けはじめた。
「ねえ。」
「ん?」
「どうだったの?デート?」
ノジコはちょっと困ったように眉をひそめた。
「だーめだめ。もうまるっきり子供扱い。とりつく暇なし!」
投げやりにいうノジコはどこか楽しそうだ。
「それにしてもあんたは彼氏出来たってのにつまんなさそうねー。」
「そ、そう?」
「この間家まで送ってくれた金髪の彼でしょ?何?あっちが合わなかったの?」
あられもないノジコの言葉に思わず息を飲む。
「・・・関係ないでしょ!」
ぷいとそっぽをむくと諦めたようにノジコはキッチンを出ていった。
ふうとため息をつき、ノジコが作ってくれた朝食を食べはじめた。

 

 

サンジは大学にナミの姿が見当たらない事にがっかりしながら正門へ向かっていた。
講議も全て上の空で頭に入らなかった。
ああ、これも愛しのナミさんがいないせい!などと心の中で言い訳をしつつ、ナミの家にお見舞いに行こうとうきうきと門を出た。
ふと見ると門から少し離れた所に、見かけない女子高校生がきょろきょろと辺りを見渡していた。
ブルーの髪の少女はかなり可愛く、サンジの騎士道精神に大ヒットした。
「どうしました?可愛いお嬢さん。構内見学ならお供しますよ。」
突然声をかけられ、少女はかなり驚いた様子だった。
しかしすぐに我に帰り、サンジに言う。
「あ、あのー、人を待ってるんです。ロロノア・ゾロって人を。」
「ゾロ?」
「ご存知ですか?」
少女の目がきらきらと輝いた。
「ああ、あいつは今日はみてないなあ。それにしても君みたいな可愛い彼女がいるなんてあいつも隅に置けないね。」
「か、彼女じゃありません!彼の通ってる道場の人間です!今日は大会の申込書を渡そうと思って…。」
そういうと少女はさっと顔を赤らめた。
「どうしたの?」
「…渡そうと思って、朝に、ゾロさんの家に行ったんですけど…そしたら女の人と出て来て…。」
「へえ。やるー。で?美人だった?」
「ええ。かなり。スタイルもよかったですよ。」
「そりゃすごい!でも俺のナミさんには敵わないな。」
サンジは遠くを見つめ、顎をさすりながら満足げに言った。
「ナミ?そういえばゾロさんもその女の人のことをナミって呼んでたような…。」
「え?」

 

 

何もする気が起こらずキッチンでぬるくなった紅茶を眺めながらぼうっとしていた。
時折ポケットに入っているキーを見ては、それをポケットに入れたり、出したり何度も同じ事をくり返した。

ピンポーン


静寂をやぶるように玄関のチャイムが鳴った。
慌てて出るとサンジ君の姿がそこにあった。
「ナミさん。今日は学校にいらっしゃらないから具合でも悪いのかと思って。」
にこりと笑うサンジに少し罪悪感を感じた。
「あ、大丈夫。せっかくだからお茶でも。」
中に招き入れるとサンジ君は、遠慮がちに中の様子に気を配りながら入って来た。
誰もいないというとまたにこりと笑う。


さて、どうしようか。キッチンは朝の洗い物がたまっている。コックであるサンジ君にそんな所は見せられない。とすると自分の部屋か…。


「待ってて。お茶持って来る。」
部屋にまず通し、お茶を入れようとキッチンへ足を向けた。


「ナミさん。」


低く掠れた声で呼び止められ、振り向くと目の前にはサンジ君の顔。
考える間もなく唇を塞がれた。
驚いて言葉もでない。


そうしているうちに、ぬるりという感触とともに舌が入ってきて口内をはい回る。
前とは違う欲情の味のするキス
なんとか振りほどこうとするが身体に回された腕はびくともせず、そのままベッドに押し倒される。
唇が離れた隙に、逃げようとするが、サンジ君の身体が枷になり動きがとれない。
唇はゆっくり降りていき首筋を伝う。
「や!サンジ君なにするの!!」
やっと声が出せたが、驚きと恐怖で震えていた。


「ゾロには抱かれてるのに?」


サンジ君の言葉に頭が真っ白になった。


「ビビちゃんが教えてくれたんだ。今日の朝、あいつの家から出て来たって。ねえ?いつから?俺と付き合う前?後?」


サンジ君は淡々と喋り、それがかえって恐怖をつのった。唇が震え、声が出ない。


「答えてよ。あいつが好きなの?」


「 …きじゃない。好きじゃない。違う…。」


それしか声が出なかった。喉が詰まったように息ができない。

 


コワイ。

 


私の様子に少し心が咎めたのか少し身体を浮かした。
身体が少し自由になったが恐怖のあまり動けなかった。


どうしよう。どうしたらいいの?


頭の中ではぐるぐると同じ言葉が回る。


「ナミさん」


落ち着かせようとしてるのか、頭を何度も撫でられる。
それにやっと唇の震えが止まった。
それを指で確認するとサンジ君はそっと口づけて来た。


ふと、夕べのゾロを思い出したが、すぐにそれを打ち消した。

 


そう。私はサンジ君が好きなの。

 


心の中で何度も唱え、降りて来る唇もそのままにそっと目を閉じた。

 

 

そう、好きなの。

我ながらいい所で切った。(確信犯)
ビビちゃん大活躍。ノジコの相手はゲン。
サンジは取りあえずナミちゃん押し倒し成功。
いたしてしまうかどうかは次回。
ちなみに原稿書きたいので続きは9/6以降で!!!
もじもじして下さい。うふふふふふふふふ。
今日、ラストまで考えたんですがなんか・・・しょぼい終わり方。どうすべ。やっぱり12で完結(予定)
あと2回おつきあい下さい。ぺこ。
こっそり伏線はってたがここで使い切ってしまった。
いや、まだあるか?どうだ?むりやりあとから伏線にする場合もあり。今回はーーーーー。秘密。