私と私2

 

ぼんやりと真っ白なレポート用紙に向かう。
ナミの事が頭から離れない。泣く程嫌な事をしたのだろうか。それともただ単に別れようと考えているのだろうか。
考えれば考える程悪い考えが頭に浮かんでくる。
もとより女心など分かるはずもなく、ナミの涙がもつ複雑な内容など想像もつかない。
「ああ!くそ!!!」
俺はレポート用紙をくしゃくしゃにまるめ、勢いよく外へと出た。

 

 

「どうしたの?珍しい。」


明るいカフェの中、俺はロビンと一緒にコーヒーを飲んでいた。
そんな内容を相談するような相手など他に想像がつかなかった俺はロビンを呼び出し、いい意見をもらおうと思ったのだが・・・。
「何かしら?わざわざ別れた女を呼び出して?」
ロビンはにっこりと笑う。言葉に刺はないが考えてみれば虫のいい話だったか・・・。
なかなか話を切り出しにくく黒いコーヒーをスプーンでかき混ぜる。
「昨日の今日ね。おおかたあの女の子の事かしら?」
「・・・。」
こいつは察しがよすぎて困る。俺はちらりと見るに留まったがナミの事だと理解したようだ。
「その子って愛されてるのねえ。」
ロビンがちらりと俺の後ろに目線を飛ばす。
まさか!と後ろを振り向くとそこには・・・。
「はあい!」
明るい声を出してナミの姉のノジコがいた。

 

 

「わーーーーたしっがいーるーよーおー。」
マイクを握りしめ、気持ちよさそうに歌っているノジコを後目に俺は苦い顔をして酒を飲んでいた。隣にはロビン。
きつい。きつすぎる。なんなんだこのシチュエーションは!
御丁寧に拍手までとばしてロビンは微笑む。
ノジコは俺とロビンがカフェに入るのを目撃し、ナミの男の浮気現場か!?と後をつけてきたらしい。どうやらナミの話らしいとロビンがいったのでカラオケボックスで3人で話そうと言う事になったのだ。・・・・しかし、かれこれ1時間二人は歌いっぱなしで話なんか出来たものじゃない。かといってここで俺一人帰ってノジコからナミにあらぬ事を言われるのもいやなのでしぶしぶ残っているのだ。
「じゃあ、次はねえ・・・。」
ノジコが曲目リストをめくり始めたので、いいかげんこの状況に耐えられなくなったおれはその手を止めた。
「おや。」
「もういいだろ。誤解が解けたんなら帰らせてもらうぞ。」
必死な俺にノジコはにやりと笑うと、マイクの音量を最大にして喋りはじめた。
『この甲斐性なし男!いいじゃない。話進めようか!』
「マイクで喋るな!!!!」
慌ててマイクを取り上げ、スイッチを切る。
すこし残念そうな顔をしてノジコは舌打ちをした。
「まあ、いいさ。可愛い妹の事だし。・・・あれでしょ、最近してないでしょ、あんたたち。」
「何で分かる!!」
「あら、そうなの。」
「ふっふっふ。ノジコさんの目を侮っちゃいけないよ。顔をみりゃ一目瞭然よ。」
「そうね、やっぱり愛されてる女の肌ツヤって違うものね。」
ねー。とうなづきあう二人を見て俺は一抹の不安に襲われた。
「す・・・すいません。もしかしてナミ・・・俺と付き合ってる時・・・って・・・。」
ノジコはちらっとこちらをみると意地悪そうな笑みを浮かべて近寄ってきた。
「あれでしょ?あんた。今、自分が下手すぎてナミを満足させれなかったのかもって思ったでしょ。」
「・・・ぐ・・・。」
図星をつかれ、のけぞりる。しかし今のところそれしか考え付かない。
「まあ、あんたと寝た事ないからそこはわかんないけどさあ。どう?」
ノジコはロビンに話を降る。
「まてまてまてまて!!!なんでそこでロビンに振る!!」
「あ?だってこの人あんたの昔の女なんでしょ?」


女ってのは勘がよすぎて困る!!いくら昔の女とは言え、そんな人の技工の善し悪しをここで聞く心の準備が出来てねえ!!!


「どうだった?」
「そうねえ、私の時は初心者だったから・・・。」
「しゃべんな!ロビン!!!」
「あらやだ呼び捨てだ。図々しいわねえ。・・・あんたこいつの最初の女なんだ。」
「そうみたいね。まああの時はテクとか関係なくてとにかく体力で・・・。」
それ以上は言わせまいと口を塞ぐ。
「あーーー、いわゆる体力馬鹿!そりゃあナミも逃げるわ。」
「ち・・・違うぞ!俺はちゃんと!!!」
「まあ、女ってのは演技できるから。」
にっこりとロビンが微笑む。
「・・・え・・・お前・・・あれ・・・演技・・・?」
「どうかしら?」
「あーあ、つまんなーーーーい。なんかもっと複雑な理由かと思った。」
「ふざけんな!まだそうと決まったわけじゃないだろうが!!!」
「そうよねえ、やっぱり何度もってなるとついていけないわよねえ。」
二人の女の勝手な内容についていけず俺はそこから逃げる事にした。
「あ、ちょっと!下手男。」
「誰が下手だ!!!」
ノジコはぴらりと一枚のレシートを取り出した。
「支払いよろしくvv」
切れる血管の音を聞きながらそれをもぎ取るように部屋を出た。

 

下手疑惑?

ちょっと未校正なのでそのうち修正するかもです。はい。