優秀なる医師の誤算

 

キッチンに入ると珍しくチョッパーがテーブルについてなにか本を読んでいた。
「おう。」
声をかけるとビクッと身体を震わせおそるおそる俺を見る。
「どうした?」
その様子に心配になり、聞くと見る見る目に涙を浮かべはじめた。
「お、おい。」
「俺・・・病気なんだ・・・。」
チョッパーの言葉に驚く。船医であるチョッパーが病気?
「なんだ?何の病気だ?」
「うう・・・本を見たけど載ってないんだ。どうしたらいいと思う?ゾロ。」
真剣な目で見られても知識のない俺に聞く方が間違ってる。
「それで・・・熱とかはあんのか?寝てなくて大丈夫なのか?」
「熱はないんだ・・・。」
「じゃあ、病気じゃないんじゃないか?」
「だって変なんだよ。俺。なんか最近・・・こうお腹の当たりがもやもやするし・・・ナミに触るとすごいどきどきするんだ。そしたら・・・またお腹の当たりが熱くなって・・・。なあ。変だろ?」
俺は頭を抱えた。その症状は俺にも身に覚えがある。
「本にも載ってないんだよ。新種のウィルスかもしれないんだ。どうしたらいんだろう。」
そりゃあ、載ってないさ。生理現象だ。こいつは自分がトナカイだと思ってるからそういう事には疎いだろうし・・・かといって教えるわけにもいかねえし・・・。
「なあ、ゾロ・・・どうしよう・・・。」
かなりせっぱつまってるらしく俺にすがるように寄ってくる。
どうしたらいいか。俺は頭を抱えた。
「あ。チョッパーここにいたの?」
「な、ナミ!」
うわさをすればなんとやらだ。風呂上がりとおもわれるナミがひょいと顔を出した。
「ね、チョッパー一緒に寝ましょ。」
ナミはひょいとチョッパーを抱きかかえ、寝る前で下着をつけていない胸にぎゅうと押し付ける。
慌てて止めようとしたがチョッパーは小さな丸い身体をさらに小さくして硬直している。
「お、おい。」
顔を赤らめてたえるチョッパーが不憫で、俺はナミからチョッパーを取り上げた。
まあ、あの胸の感触はな・・・しょうがない。俺も身に覚えがあるからなんとも言えないが・・・。
「ちょっと、チョッパー返してよ。」
事情が飲み込めていないナミは俺からチョッパーを取り上げようとする。
「だめだ。お前はさっさと寝ろ。」
ナミはぷうと頬を膨らませるとさっさとキッチンを出て行った。
その間チョッパーは俺にしっかりとしがみついていた。
「大丈夫か?」
大丈夫ではないだろうが一応聞くだけ聞いてみる。
「ゾロ・・・やっぱり俺変だよ。」
今にも大声で泣き出しそうだったので俺は慌ててなだめる。
「とにかく、トイレにいけ。」
俺の言葉の意味が飲み込めずきょとんとしている。
うう・・・説明するののなんと難しい事か。
「あーーー人間の男の生理現象で...その...溜まったものを出さなきゃいけねえんだ。別にそれは変でもなんでもない。普通だから。とにかく好きなようにやって・・・方法は自分でどうにかしろ。だしゃあ、いいんだ。分かるか?」
チョッパーはこくこくとうなづくと前屈みになりながらトイレへ向かった。
俺はどっと疲れて椅子に座った。
まいった・・・この船にはナミ以外に手のかかるクルーがいたとは・・・。
取りあえずチョッパーの帰りを待つ。
なかなかかえってこないので心配になったが見に行くわけにも行かないのでいらいらしながら待っていた。
しばらくするとチョッパーがふらふらしながら戻ってきた。
「おい。大丈夫か?」
「・・・ああ・・・ゾロ・・・。」
どこかぽやーんとしている様子に心配になる。
「・・・大丈夫だったか・・・?」
「ああ・・・。」
チョッパーはまだ夢の中にいるような顔をしている。
「お。まだ起きてやがったのか?」
そこにサンジが入ってきた。首にタオルをまいているところを見ると風呂上がりか・・・・・・・・・・・・・ん?
俺はサンジとチョッパーを交互に見た。
あれ?なんかおかしくねえか?
「もう寝ろよ。チョッパー。しょうがねえやつだな。今度からは自分でやれよ。」
その言葉に俺は唖然となる。
「ん?どうした?お前もか?」
俺はぶんぶんと首を振った。
「・・・・・・サンジ・・・・・。お前まさか・・・チョッパーを・・・。」
「あ?なんだお前人のやった事ないのか?バラティエでは忙しかったぜ。」
その言葉に俺は意識が遠のくような感覚に襲われた。


その日からサンジには逆らわないようにしようと心に決めたのだった・・・・。

 

 

ナミチョ、サンチョ。裏でしょ!!! 
これは裏!!(当社比)
ちなみにゾロナミ前提。